要約
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。 (平家物語)
平徳子
→ 平家物語の主人公
→ 仏教の教えをしみじみと知らされる人物
→ 平家物語の最後に述懐して終わる
平徳子 17才
→ 時の天皇(高倉天皇)と結婚する
23才
→ 皇子(のちの安徳天皇)を出産
→ 女性としては最高の立場になる
26才
→ 夫が亡くなる
→ 父である平清盛も亡くなる
28才
→ 木曽義仲が都に攻めてくる
→ 都落ちする
30才
→ 壇ノ浦の戦いで自分の子供(安徳天皇)と一緒に入水自殺しようとする
→ 子供は亡くなるが自分は源氏の武将の手によって救出される
31才
→ 仏門に入る
平徳子は私の人生は六道をさまよっているようなものだったと述懐している
六道
→ 地獄界 餓鬼界 畜生界 修羅界 人間界 天上界
過去の因を知らんと欲すれば現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ (お釈迦さま)
まいた種をみれば何が出てくるかがわかる
未来を明るくしたかったら今からの行いに気を付ける
感想
平家物語の冒頭の部分は有名だ。まさに仏教思想である諸行無常という言葉が入っている。学校の授業で学んだという人は多いだろう。しかし物語自体は全く読んだことがなかった。
平徳子という登場人物はとても波乱万丈の人生だった。時の天皇と結婚し女性としては最高の立場につきながら、やがて平家が滅んでいき入水自殺未遂まで追い込まれていく。そして仏門に入ることになる。
物語としては儚い人生を感じさせる。それは頂点に君臨しても続かない、やがては滅んでいかなければならなかたこと、その淋しさだと思う。少年マンガのような夢をもてる物語でもなく、ハリウッド映画のようなハッピーエンドの物語でもない。諸行無常という真理を物語っている。
順境も逆境も続かない、それが諸行無常である。この世は諸行無常であることを知り、因果の道理を知ることで自分の運命の謎が解明できる。
平家物語を読みとくと、深い仏教思想があきらかになるところがとても面白い。
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