栗山英樹監督といえば、2023年のWBCで優勝した時の日本代表監督として記憶している人は多いだろう。その名監督はどんなことを大切にして行動していたか。栗山監督の思考について学べる本になっています。
本書で僕自身が大事だと思ったところを3つ紹介します。
書籍
栗山英樹
1961年生まれ、東京都出身。1984年に東京学芸大学からヤクルトに入団して外野手として活躍し、ゴールデン・グラブ賞も受賞。1990年に現役を引退した後は、野球解説者やスポーツキャスターなどを経て、2012年のシーズンから日本ハムの監督を10年間、務める。指導者の経験はなかったものの、1年目の2012年にリーグ優勝。また、この年のドラフト会議では、当時、高校から直接大リーグへの挑戦を明言していた大谷翔平選手を指名し、投打の二刀流で育成する方針を示して入団を実現させた。大谷選手の能力を伸ばす環境を整えて投打ともに一流の選手に育てて球界の常識を覆し、2016年には、その大谷選手を中心にリーグ優勝と球団史上3回目となる日本一を果す。2021年に退任。同年、野球日本代表監督に就任。2023年のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックでアメリカを破り3大会ぶり3回目の優勝を果たす。同年、日本代表監督退任後、2024年から北海道日本ハムファイターズのチーフ・ベースボール・オフィサーに就任。
栗山英樹|人物|NHKアーカイブス
わずかなチャンスのために準備を怠るな
たとえチャンスの数は少なくても、それが訪れる瞬間に備えて準備をしていれば、きっと活かすことができる。以降、これが栗山の信条となったのです。
(中略)準備をおろそかにしなければ、きっとチャンスは巡ってくるのです。
チームの可能性を引き出す 栗山英樹の言葉 p75
いつチャンスがおとずれてもいいように日頃から準備をしておく。とても大切な考え方だと思います。チャンスが来てから準備をしていていはチャンスを逃してしまう。これは恋愛や結婚でも同じだ。いい人が見つかってから準備をするのではなく、見つかる前から準備をしておく。そうすればいい人と出会ったときに相手から興味を持ってもらえるし、お付き合いできる可能性がたかくなる。
才能を出し尽くす努力を
スポーツの世界に「才能は生き方で決まる」という言い方があります。プロ野球選手になるような人なら、子どもの頃からすぐれた才能を持ち、高校や大学でそれなりの実績を残してきたことでしょう。だからこそプロになれたとも言えますが、それでも思うように芽が出ない人もいます。
反対に、入団時の期待はそれほど高くなかったのに、結果として素晴らしい成績を残す人もいます。
「才能の有無はわかるが、努力の才能まではわからない」という言葉もあります。
チームの可能性を引き出す 栗山英樹の言葉 p79
才能があればすべてがうまくいくわけではないという。才能も大事だが、生き方がチャランポランだったら才能をつぶしてしまう。
人生がうまくいかない時に、その人の生き方が問われることになると思う。
「できるか、できないか」ではなく、行動する
問題に気付く人と気付かない人がいます。気付いても行動を起こさない人もいれば、気付いたらすぐに行動して、問題を解決しようとする人がいます。栗山英樹によると、大谷翔平は気付くだけでなく、気付いたらすぐに動くことのできる人だといいます。
(中略)誰かが困っていたら、自分のことのように親身になる。後は黙って行動に移せばいいのです。
チームの可能性を引き出す 栗山英樹の言葉 p161
誰かが困っていても自分のことのように親身になれる人はなかなかいない。見て見ぬふりをしてしまいがちだが、大谷選手はすぐに動くことができるという。野球の技術だけでなく、人として尊敬される人間性を持っているからみなに愛されている。小さな優しさは目立たないが、見ている人は見ているから大切にしていきたい。
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