組織のトップに立つ人には、どのような資質が求められるのでしょうか。
決断力や行動力、周囲を引っ張る指導力など、さまざまな能力が必要だと思います。
しかし、それだけでは十分ではありません。
どれほど優れた能力を持っていても、自分の考えが常に正しいと思い込んでしまえば、判断を誤ることがあります。
そんなときに大切なのが、周囲の意見に耳を傾けることです。
今回は、高森顕徹先生の著書『光に向かって100の花束』から、第5回目のエピソード「大将たる者、臣下の言葉をよく聞くべし」を紹介します。
このお話を通して、組織のリーダーに求められる心構えについて考えてみたいと思います。
『光に向かって100の花束』とは?
『光に向かって100の花束』は、高森顕徹先生による、さまざまな人物の逸話や日常生活の出来事を通して、人間の心や生き方について考えさせられる書籍です。
今回紹介するエピソードでは、歴史上の人物の行動を通して、リーダーが部下の意見を聞くことの大切さが示されています。
「大将たる者、臣下の言葉をよく聞くべし」から学ぶこと
このエピソードには、尾張徳川家の初代藩主である徳川義直が登場します。
義直は、自分に対する厳しい指摘を受けたとき、最初は怒りを感じました。
しかし、感情に任せて相手を退けるのではなく、指摘された内容について考え直します。
そして、自分の欠点を指摘した人物の忠誠心を評価したと紹介されています。
私は、この行動がとても印象に残りました。
普通なら、自分の悪いところを指摘されると、不愉快な気持ちになるものです。
特に、組織のトップに立つ人であれば、自分に逆らう部下を快く思わないこともあるでしょう。
しかし、義直は自分にとって耳の痛い意見にも向き合いました。
このお話から、優れたリーダーには、自分の間違いを認める姿勢が必要なのだと感じました。
諫言とは?リーダーに必要な心構え
今回のお話で重要になる言葉が「諫言(かんげん)」です。
諫言とは、目上の人に対して、その過ちや問題点を指摘し、改めるように忠告することです。
組織のトップに立つ人は、大きな権限を持っています。
そのため、自分の判断によって物事を進めることができます。
しかし、権限が大きいからといって、常に正しい判断ができるわけではありません。
誰でも間違えることはあります。
だからこそ、自分の判断に問題があるときに、指摘してくれる人の存在が大切になります。
ところが、リーダーが批判を嫌う人であれば、部下は本当のことを言いにくくなってしまいます。
その結果、問題があっても誰も指摘せず、組織全体が間違った方向へ進んでしまうことがあります。
私は、諫言を受け入れることは、リーダーにとって欠かせない姿勢なのだと思いました。
自分の考えが正しいと思い込むことの危険性
人は、立場が高くなるほど、自分の判断に自信を持つことがあると思います。
周囲の人が自分の意見に従うようになると、自分の考えが正しいと思い込みやすくなるかもしれません。
しかし、どれほど経験を積んだ人でも、判断を誤ることはあります。
大切なのは、自分の考えが間違っている可能性もあると認めることです。
私たちは、他人から間違いを指摘されると、素直に受け入れられないことがあります。
特に、自分より立場が下の人から指摘された場合には、反発したくなることもあるでしょう。
しかし、誰が言ったのかということだけで判断するのではなく、その意見が正しいかどうかを考えることが大切です。
今回のお話を読んで、私自身も人から注意されたときには、感情的にならず、指摘された内容をよく考えるようにしたいと思いました。
ワンマン経営が組織に与える影響
今回のエピソードは、現代の会社経営にも通じる内容だと思います。
会社の社長や経営者が強い権限を持ち、周囲の意見を聞かずに経営を進めることがあります。
いわゆるワンマン経営です。
もちろん、リーダーが強い決断力を持つこと自体が悪いわけではありません。
しかし、周囲からの忠告を無視し続ければ、問題を見逃してしまう可能性があります。
実際に、企業の不祥事が明るみに出て、経営者が謝罪会見を行うことがあります。
そのようなニュースを見ると、組織の中で問題を指摘できる人はいなかったのだろうかと考えることがあります。
もし部下が問題を指摘し、経営者がその意見を真剣に受け止めていれば、防げた問題もあったかもしれません。
ただし、不祥事にはさまざまな原因があるため、部下の忠告だけですべてを防げるわけではありません。
それでも、問題を指摘しやすい環境をつくることは、組織を健全に保つために重要だと思います。
部下が意見を言いやすい環境をつくることも大切
リーダーが部下の意見を聞くためには、部下が安心して発言できる環境も必要です。
例えば、問題点を指摘した部下が怒鳴られたり、不利益を受けたりするような職場では、誰も本当のことを言わなくなってしまいます。
その結果、上司には都合のよい情報ばかりが集まることになります。
これでは、正しい判断をすることが難しくなるでしょう。
反対に、部下の意見を尊重するリーダーであれば、問題が起きたときにも早い段階で報告を受けやすくなります。
もちろん、部下の意見をすべて採用する必要はありません。
しかし、まずは相手の話を聞き、内容を検討することが大切です。
自分にとって都合の悪い意見であっても、組織のためになるのであれば、受け入れる姿勢が必要だと思います。
『光に向かって100の花束』第5回を読んだ感想
今回のお話を読んで、私が特に印象に残ったのは、組織のトップに立つ人ほど、他人の意見を聞くことが大切だということです。
リーダーには大きな権限があります。
しかし、権限があるからといって、自分の判断が常に正しいわけではありません。
間違った方向へ進みそうになったとき、忠告してくれる人の存在は非常に重要です。
ところが、実際には自分の間違いを指摘されることを嫌う人もいるでしょう。
私自身も、人から注意されると、素直に受け入れられないことがあります。
だからこそ、徳川義直のように、耳の痛い意見にも向き合う姿勢を学びたいと思いました。
また、このお話は、会社の社長や経営者だけに関係するものではありません。
職場で部下を持つ人や、家庭で人をまとめる立場にある人にとっても、大切な教訓だと思います。
人の上に立つほど謙虚さを忘れず、周囲の意見に耳を傾けることが必要なのだと感じました。
まとめ|優れたリーダーほど人の意見に耳を傾ける
今回は、『光に向かって100の花束』の第5回「大将たる者、臣下の言葉をよく聞くべし」を紹介しました。
このお話から学んだのは、リーダーにとって大切なのは、決断力や指導力だけではないということです。
自分の間違いを指摘してくれる人の意見を聞くことも、重要な資質です。
どれほど立場が高くなっても、自分が常に正しいとは限りません。
だからこそ、周囲の忠告を受け止め、自分の行動を振り返ることが大切なのだと思います。
私自身も、人から注意されたときには感情的にならず、相手の意見をよく聞くことを心がけたいと思います。
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