監督略歴 フェデリコ・フェリーニ 映画史に名を刻んだイタリア出身の映画監督の一人。幼少期はサーカスを愛し、フェレンツェの出版者勤務を経て、ローマで風刺雑誌のコラムや映画脚本を書きはじめる。第二次世界大戦中は徴兵を逃れてイタリア各地を放浪し、戦後、ロベルト・ロッセリーニ監督の「無防備都市」(45)の脚本を担当。「寄席脚光」(50)でアルベルト・ラトゥアーダと共同監督を務めた後、「白い酋長」(51)で単独長編監督デビューを果たす。「青春群像」(53)と続く「道」(54)でベネチア国際映画祭銀獅子賞を2年連続受賞し、後者でアカデミー賞外国語映画賞を受賞。以後同賞を合計4回受賞した。ローマ上流社会の退廃を描き、観客の賛否両論を呼んだ「甘い生活」(60)でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。数多くの名作を世に送り出し、不世出の名匠として知られた。

感想
この映画を初めて観たのは高校生の頃だった。当時観た感想は「よくわからんけど、映画監督というのは大変で女性にモテるんだな」というものだったと思う。映画監督に対するイメーはこの映画から学んだ。フェリーニ監督に対しても憧れを持つようになったきっかけの映画だ。
改めて映画を観ると、主人公の夢や、映画制作のために思いついたワンシーンや、子供時代のエピソードが断片的に描かれているが、それらが何の前触れもなくストーリーのなかにでてくるので観ているほうはよくわからなくなる。しかし、そのよくわからないという描き方がこのシーンの意味は何かと考えさせられてとても面白い。主人公が人生についてや夫婦関係のことについて悩むところも、とても見ごたえがある。
物語の終盤に主人公が「人生は祭りだ、共に生きよう」と悟るシーンは、映画史に残る名場面として語り継がれている。そして最後は大団円となって終わるところも、後の映画に多大な影響を与えた場面となっている。
この映画はハリウッド映画のような豪快さはないが、人間ドラマとしてとても見ごたえのある作品となっている。ぜひ、一度見ることをおススメする。
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