要約
因 = 原因 果 = 結果
結果には必ず原因がある
仏教では因果の道理という
すべてに因果関係がある
すべての学問の土台は、どうしてそういう結果になったか原因を究明すること
原因がわかれば未来を予測できる
地震 → 科学
不況 → 経済学
心の病 → 精神医学 心理学
これらは昔は神の力だと思われていた しかしさまざまな学問が発達するにつれ神の力ではないことがわかってきた
今でも神の力だと思われているのが運命
→ 運がいい悪いは神の力か 神が与えた試練なのか
→ 運命の因果関係はわからない
仏教では運命をもたらすのは神の力ではなく、行いだと教えられる
→ 善因善果 善い運命は善い行いから
→ 悪因悪果 悪い運命は悪い行いから
→ 自因自果 自分の運命は自分の行いから
神や霊の力で幸福になったり不幸になったりするのではない
業力 → 業とは行いのことで業が運命をひきおこす力がある
善業力 → 善い行いは幸福をもたらす力がある
悪業力 → 悪い行いは不幸をもたらす力がある
仏教で教えられる善い行い 六度万行
→ 布施 親切
→ 持戒 言行一致
→ 忍辱 忍耐
→ 精進 努力
→ 禅定 反省
→ 智慧 修養
仏教で教えられる悪い行い
→ 慳貪 自分がもらうことしか考えていない
→ 破戒 約束を破る
→ 瞋恚 怒り
→ 懈怠 怠ける
→ 散乱 心が散り乱れる
→ 愚痴 人のせいにばかりしている 因果の道理がわからない心
仏教では一の行いをすれば、一の結果 五の行いをすれば五の結果 一〇の行いをすれば一〇の結果になると教えられる
また、行いが結果になるまで時間差がある
順現業 → 今日まいたものが今日あらわれる
順次業 → まいたものが相当経ってからでてくる
順後業 → まいたことを完全に忘れたころにあらわれる
まいたものは必ず生えるがそれにはスパンの短いものから長いものがある
行いは三つあり、それを三業という
身業 → 体でやった行い
口業 → 口で言った行い
意業 → 心で思った行い
蒔けば生え 蒔かねば生えぬ 善悪の 人は知らねど 種は正直
感想
結果には必ず原因がある。それはすべてものにあてはまる。学問とはどうしてそうなったか原因を究明することだという。今だ原因がわからないものの一つに運命がある。
僕は「陰隲録」という本を読んで自分の人生観が変わった。稲盛和夫さんの著書「生き方」の中にも紹介されている本だが、善い行ないを積み重ねることで運命を変えることができることが教えられている。「陰隲録」は中国の本だが、中国では昔から、積善の家に余慶あり、積不善の家に余殃ありといわれ善い行ないをすれば幸せになり、悪い行ないをすれば不幸なると教えられている。また「善を為すもその益を見ざるは、草裡の東瓜のごとし」という言葉があり、善行をしてもその報いが現れないのは、草むらの中の瓜のようなもので人目には見えなくても立派に成長しているから必ず善い報いがえられるといわれる。運命の因果関係は自分の行いにあることがはっきりと理解できた。
仏教では因果の道理が教えれている。善因善果、悪因悪果、自因自果、自分の行いのすべてが自分の運命を決める。まいた種は必ず生える、まかぬ種は生えない。自分の運命をよくしたければ善い行いをすること。
運命の因果関係をはっきりさせた仏教の教えは現実的で理論的で実践的だ。だれでも運命を変えることが出来ることを証明した。
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