要約
■ 肉食妻帯の破戒僧だったから流刑になったのか
→ それは一因ではあったが主たる原因ではない
→ 法然上人も流刑になったが肉食妻帯はされていない
・ 肉食妻帯を隠れてやっていた人はたくさんいる
☆ 隠すは聖人 せぬは仏
→ 隠れて肉を食べたり酒を飲んだり妻をめとったりした僧侶は少なくなかった
・ 親鸞聖人の場合は公然と結婚された
→ 肉食妻帯が流刑の原因ではない
■ 親鸞聖人が流刑になったのは専修念仏を言われたからか
・ 念仏を唱えなさいといったのはお釈迦様
・ 念仏を勧めただけで流刑になることはおかしい
・ 親鸞聖人や法然上人が一向専念無量寿仏を強く叫んだため
→ 一向専念無量寿仏とは、阿弥陀仏一仏に向きなさい、助けてもらいなさいということ
・ 一向専念無量寿仏一つに向えということは、阿弥陀仏以外の仏や菩薩や神に向くなということ
・ 権力者(公家や貴族)は神信心だったので猛然と腹をたてた
→ それで親鸞聖人は流刑になった
■ なぜ一向専念無量寿仏でなければならないか
・ 私たちは煩悩の塊であり、そんなものを救うことができる仏は阿弥陀仏だけだから
☆ 罪業深重・煩悩熾盛の衆生を助けんがための願にてまします (親鸞聖人)
→ 極悪人である私は弥陀の本願によってしか救われない
☆ 如来所以興出世 唯説弥陀本願海 (正信偈)
→ お釈迦様一代の教えは阿弥陀仏本願これ一つを教えられた
☆ 余の諸天神に帰依せざれ (涅槃経 お釈迦様)
→ 天地の神々を信じて礼拝してはなりませんよ
☆ 天を拝することを得ざれ 鬼神を祠ることを得ざれ (船舟三昧経 お釈迦様)
→ 天を拝んだり鬼神を祀り仕えてはなりませんよ
■ 親鸞聖人ほど鬼神信仰や占いごとなどを排斥された方はいない
・ 親鸞聖人は一向専念無量寿仏を徹底的に教えられたので敵をつくることになった
☆ かなしきかなや道俗の 良時吉日えらばしめ 天地地祇をあがめつつ 卜占祭祀つとめとす
→ 悲しいことだ 僧侶も在家の人も日の善し悪しを論じている 天地の神々をあがめているじゃないか 占い祭りごとをやっているじゃないか
・ 親鸞聖人があまりにも一向専念無量寿仏を叫ばれたので、後世の人は一向宗と呼んだ
感想
親鸞聖人が流刑になった理由がわかった。肉食妻帯や専修念仏ではなく、一向専念無量寿仏を強く叫ばれたからだった。権力者の怒りをかってしまっても、自分の信念を貫くことは並大抵のことではない。
親鸞聖人の不屈の精神のおかげで、現代になっても弥陀の本願の教えを聞くことができる。とても感謝しなければならないことだと感じる。
はやく弥陀の本願に救われるように、聴聞を続けていきたい。
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