ニルヴァーナ
涅槃とはインドの言葉のニルヴァーナからきています。
ニルヴァーナとは「吹き消す」という意味の言葉です。メラメラと燃えている火がフーッと風がきて吹き消えた状態のこと。
私たちは煩悩の火が盛んに燃え盛っていることから、仏教では「煩悩熾盛の衆生」と言われます。
熾盛とは煩悩が盛んに燃え盛っている状態。欲、怒り、ねたみ・そねみいっぱいの炎がメラメラとひっきりなしに燃えているのが私たちの姿です。
燃え盛っている炎が消えた境地が涅槃です。
煩悩の火が消えた静かな境地ということで涅槃寂静とも言われ究極の悟りの境地のことをさします。
お釈迦様の一切経には4つの真理が教えられていて、それを四聖諦といいます。
苦諦 果
私たちの人生は苦しみである「一切皆苦」であること。
集諦 因
私たちの人生を苦しみに染める原因は何か。それは煩悩である。
苦諦、集諦の関係は迷いの因果関係をあらわしている。
滅諦 果
煩悩の火が消えた安らかな境地。涅槃寂静の境地。
道諦 因
狭い意味では八正道、広い意味では一切経。
滅諦、道諦は悟りの因果関係をあらわしている。
仏教にはいろいろな道が教えられているが究極の目的は涅槃寂静になること。仏の悟り、無上覚ともいわれる。
涅槃の真因
涅槃の真因は唯信心を以てす
(親鸞聖人 教行信証)
私たちが浄土に往生する因は、ただ「信心」一つが原因である。
「信心」一つが因で浄土に往生するが親鸞聖人の教えです。
だから、親鸞聖人の教えを「信心正因」といわれます。
能発一念喜愛心
(正信偈)
不断煩悩得涅槃
弥陀のお力によって他力の信心が起きれば、煩悩なくならないままで涅槃に往ける身になれる。
煩悩をなくす修業をしなくても他力信心一つで涅槃に往けますよ。
感想
仏教の究極の目的は涅槃寂静の境地になることだという。それは浄土往生することでもある。浄土へ往くためには信心一つが必要。
その信心とは他力の信心のことで、阿弥陀仏から頂く信心のことをいう。自分が疑わないように強く信じることは自力の信心と言い、他力の信心とは違う。
ではどうすれば阿弥陀仏から信心を頂くことができるのかというと、聴聞を続けることで頂くことができるという。
ただ聞けばいいのかといわれると簡単なようだが、聞き続けることは簡単ではない。他力の信心を頂く前に聴聞を辞めてしまう人はたくさんいる。
聴聞は大変だが、他力の信心を頂くまで続けていきたい。

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