要約
■ お姫様と四兄弟という童話
・ ある国にたいへん綺麗なお姫様がいた。父親である王様がそろそろ結婚させたいと思って、結婚相手を探していた。王様の有力な家臣に年頃の四兄弟がいた。その四兄弟がお姫様と結婚したいと申し出た。お姫様はあと一か月後に誕生日だからそのときのプレゼントで誰と結婚するか決めることになった。四兄弟はプレゼントを何にするか一生懸命考えた。
・ お姫様の誕生日に長男のプレゼントは国で一番大きな宝石だった。次男の用意したプレゼントは絹でできた純白のドレスだった。三男は素敵なお城だった。しかしお姫様はどのプレゼントにもあまりいい反応を示さなかった。四男が用意したものは庭だった。他の三人は庭を見てバカにしたが、お姫様は庭を大変気に入った。庭に満足したお姫様は四男と結婚することにした。
・ 長男、次男、三男は一か月の間どうすれば価値のあるものを用意できるか探していたが、四男がやったことはお姫様が一体何を望んでいるかを一生懸命リサーチした。相手のニーズを知ることがいかに大事なことか。
→ この童話から学ぶことは、人生の目的を知るときの大切な心得。一体私は何のために生きればいいのかを考えるとき一番大事なのは、「私は何を望んでいるか」ということを一番よく見つめること。みんながやっているからやるのではなく、自分が本当に望んでいるものは何かをよくよく考えること。
■ 仏教で教えられる五欲
・ 私たちの願いは10~20個あるように思えるが、仏教では大きく集約されれば五つに収まるといわれる。
→ 食欲…食べたい飲みたいという欲
→ 財欲…お金が欲しいという欲 物欲
→ 色欲…異性を求める欲
→ 名誉欲…人から褒められたい、認められたい 承認欲求
→ 睡眠欲…寝ていたい 楽したい ごろごろしていたいという欲
・ 私たちは朝から晩までこの五欲に振り回されている
■ 夢とか目標とか理想というものはこの五欲に収まる
・ この五欲はどれだけ一生懸命満たしてもこれで満たされきったということはない
→ なぜなら欲とはキリがないものだから
・ 無限の欲を有限の命で追いかけている
・ いつか私たちは満たされきれず死んでいかなければならないときがくる。
→ 願いというのは叶わないものといえる
■ 私たちの究極の願いは一体何か
・ すべての人は幸せを望んでいる。幸せになったら次は何を望むか。その幸せが続いて欲しいと願う。
→ すべての人が究極に望んでいるものは続く幸せである
■ 仏教ではずっと続く幸せが教えられている
・ 摂取不捨の利益 無碍の一道
→ 絶対に崩れない幸せがあると教えられる
→ どんなことが起きても揺るぐことがない、何ものも邪魔にならない幸せがある
感想
自分の人生の目的を決めるためには、自分自身が何を望んでいるかに目を向けること。みんながやっているから自分もやるではだめだ。自分の中で自問自答することが大事なことだ。
人生の目的とは仏教に教えられる五欲に収まるということに驚く。確かに言われてみればそうだ。社会的に成功するとはいかに人より多く五欲を満たすことができたかといえる。五欲を満たすことで幸せを感じることができるが、欲はキリがないし続かない。幸せを感じてもすぐに色あせてしまう。
仏教にはずっと続く幸せが教えられているという。それを摂取不捨の利益、無碍の一道ともいう。ずっと続く幸せなんて本当にあるのかと疑いたくなる。しかし仏教の教えは人生の本質を突いているからもっと学んでいけばわかってくることもあるかもしれない。
仏法は聴聞に極まる。
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