今回はエピソード6、「お嫁にいったら、毎日よい着物を着て、おいしいものを食べて、よくお化粧するのですよ」です。この言葉を聞くと、お嫁にいったら贅沢をしなさいということのように思えますが、その真意はいったいなんでしょうか。
実は、母が娘に贈った言葉には深い智慧がこめられていました。
書籍
著者 高森顕徹
昭和4年、富山県生れ。
龍谷大学卒業。日本各地や海外で講演、執筆など。
著書『光に向かって123のこころのタネ』『光に向かって心地よい果実』『歎異抄をひらく』『歎異抄ってなんだろう』(監修)『人生の目的』(監修)など多数。
お嫁にいったら、毎日よい着物を着て、おいしいものを食べて、よくお化粧するのですよ
要約
富豪ドンマカセンの夫人は賢い人だった。その娘も大変賢かった。ある日リキミという大臣の夫人が、ぜひ、息子と結婚してほしいといい、婚約が決まった。ドンマカセン夫人は娘にこんなことを諭した。「お嫁にいったら、毎日よい着物を着て、おいしいものを食べて、よくお化粧をするんのですよ」
無事に結婚式は終わり嫁の日常生活が始まった。起床は早く、家や庭の掃除をし洗濯もする立派な嫁だった。リキミ夫人はドンマカセン夫人が言っていたことで疑問に思っていたことをきくと嫁はこう答えた。
「実家の母の、よい着物を着よと申しますのは、清潔なものを身につけよ、ということでございます。おいしいものを食べよと申しますのは、働けばどんなものでもおいしくいただけるから、身体を動かせということです。お化粧をせよ、と申しますのは、家や庭、部屋や台所の清掃をせよ、ということでございます。
答える彼女の笑顔は輝いていた。
”きれい好き”ということは、いかなる場合にも女性の大きな美点にちがいない。
感想
結婚をする娘にどんなアドバイスをするか悩んだときに、このエピソードは役に立つと思いました。きれい好きな女性ならば夫も喜ぶだろうし、舅や姑も安心する。
今の時代は結婚しても共働きの夫婦が多いから、嫁だけが家をきれいにするだけでなく、夫も積極的に掃除をしなければならない。嫁だけにまかせていたら、早晩、離婚することになるかもしれない。
夫婦が対等の関係である時代でも、嫁がきれい好きだった場合、夫としてはとても嬉しいし感謝もするし大事に扱ってくれると思う。
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