要約
恋愛は誰にとっても続かないもの
諸行無常 すべてのものは続かない
→ 変わりやすいのが心 心とはコロコロ動くものだからこころといわれる
恋愛が続かないのはどんな人がやっても続かないもの
来て見れば さほどでもなき 富士の山
→ 遠くから富士を見れば見栄えはいいが、近くまで来てみるとゴミがいっぱいあって、それほど大したことはなくがっかりすることが多いという意味
恋愛というのはこちらの心も変わりやすいし、相手の心も変わりやすい。恋愛を長続きさせようと思ったら、お互いが涙ぐましい努力が必要。壊れやすいものだから慎重に大切に扱わなければならない。
愛別離苦 愛する人と別れる苦しみ
→ 愛する気持ちが小さければ苦しみも小さい
→ 愛する気持ちが大きければ苦しみも大きい
会者定離 会った人とは必ず離れる
雑毒の善 誰かに親切したら見返を求める心 こんなにしてやったのに返ってこないと怒りや失望の気持ちになる
三輪空 誰かに親切をしたら、私が、誰々に、何々をしてあげたということを忘れる。誰かに親切したときに見返りがなくてもイライラしなくてすむ
感想
人の心とは変わりやすい。自分の心も相手の心も変ってしまう。相手を好きになって恋愛が始まるが、好きな気持ちもやがて変わってしまう。長く付き合っていくうちに相手の嫌な面もみることになり、がっかりすることもある。気持ちが冷めていくと、別れたいと思う気持ちも出てくる。
僕はEvery Little Thingの「出逢った頃のように」という歌が好きだが、自分の恋愛でも出会った頃の記憶が一番強いし、一番ドキドキした。しかし、付き合いが長くなるにつれケンカしたり、デートもマンネリ化したりして好きな気持ちも減っていった。相手を好きになって近づくが、近づき過ぎて嫌になり、嫌になって離れる。相手から離れればまた好きになることもある。作家のよしもとばななさんは「嫌いな人がいたら、好きになるところまで離れればいい」といったというが、好き嫌いは相手との距離が関係してくるのも間違いない。
仏教では諸行無常と教えられる。すべてのものは続かない。たとえ好きな気持ちが変らなかったとしても最後死ぬときは別れなければならない。諸行無常や愛別離苦を経験すると、仏教の教えは本当だなと実感する。そうなると仏教の教えをもっと知りたくなる。人生とは苦しみしかないのか、苦しみを仏教ではどう対処するのか。
仏教の面白さは、教えがわが身のこととして捉えることができるからだ。
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