今回はエピソード3「高価な楽器がいい音色を出してくれるのではない、演奏者によるのだ」を紹介したいと思います。
書籍
著者 高森顕徹
昭和4年、富山県生まれ。
龍谷大学卒業。日本各地や海外で講演、執筆など。
著書『光に向かって123のこころのタネ』『光に向かって心地よい果実』『歎異抄をひらく』『歎異抄ってなんだろう』(監修)『人生の目的』(監修)など多数。
高価な楽器がいい音色を出してくれるのではない、演奏者によるのだ
要約
古今の名手ビテリーが五千ドルのバイオリンをひく、というのでその日の演奏会は大変話題になった。ビテリーが登場すると聴衆の目は五千ドルのバイオリンに注目した。やがて演奏が始まると、聴衆はその音色に聞きほれた。ところが、ビテリーは演奏をやめ突然バイオリンを叩きつけて壊してしまった。かわりのバイオリンを持ってきた主催者はこういった。「いま、ビテリー君が叩き壊したのは一ドル六十セントの安物です」という。「音楽界で楽器の高価を誇る傾向をビテリー君は心配しているのです」
”音楽の妙味は、楽器の高価にあらず、演奏者にある”
この平凡な真理を、彼は知ってもらいたかったのです。
光に向かって100の花束 p25
再び演奏が始まる。拍手とアンコールの嵐だったが、聴衆には安物のバイオリンと五千ドルのバイオリンの違いがどこにあるのがまったくわからなかったという。
感想
値段が高価なものかどうかで物の価値を決めてしまいがちだが、それでは本物の価値はわからないという。本物の価値がわかるようになるためには、その人自身が一流であるかどうかが問題になる。
一流になるためにはそれだけ自分を磨かなければできないと思うし、一朝一夕ではなれない。簡単にはなれないから値段によって価値を判断する人ばかりになる。
僕自身はどうかといえいば、やっぱり値段によって価値を判断することが多い。高ければいい物、安ければ悪い物と思うことがよくある。一流とは程遠いかもしれない。
「一流がわかるのは一流だけ」ともいわれるが、僕自身も一流になれるように自己を磨いていきたい。
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