直感力

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書籍

著者 羽生善治

1970年、埼玉県生まれ。将棋棋士。小学校6年生で二上達也九段に師事し、プロ棋士養成機関の奨励会に入会。奨励会の6級から三段までを3年間でスピード通過。96年、王将位を獲得し、名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王と合わせて「7大タイトル」すべてを独占。「将棋界始まって以来の7冠達成」として日本中の話題となる。

はじめに——直感をどのように活かすか

「直感」と「読み」と「大局観」。棋士は、この三つを使いこなしながら対局に臨んでいる。一般的に経験を積むにつれ、「直感」と「大局観」の比重が高くなる。これはある程度の年齢を重ねることで成熟していく傾向がある。「習うより慣れろ」というところだろうか。

「読み」は計算する力といっても過言ではない。したがって十代や二十代前半は基本的に「読み」を中心にして考え、年齢とともに「たくさん読む」ことよりは、徐々に大雑把に判断する、感覚的に捉える方法にシフトしていくのだろう。

すでに「対局観」に関する本は著した。そこで、本書では「直感」につてい詳述したい——

本書は、羽生善治さんが棋士として生活するうえで大事にしている考え方、が書かれています。

7大タイトルを独占した天才棋士の頭の中では何を考えているのか。何を大事にしているのか。誰もが知りたいことだと思います。

この本の中で僕が印象に残ったところを3つ紹介します。

空白をつくる

あえて「考えない」時間を意識的につくることが大切だと思っている。それは、いわば頭の中に空白状態をつくることだ。頭が飽和状態にあるとき、そこからは何も生まれてこない。私はある程度の隙間、空っぽの部分があるときでないと創造的な思考はもちろん、深い集中はできないと考えている。

(中略)ところで私は、集中するためには、少しくらい疲れているほうがいい、とも感じている。疲れていると無駄な力が入らず、雑念も入らないために、余計なことを考えなくても済むからだ。

集中するために少しくらい疲れていたほうがいいというのはとてもよくわかる。そのために羽生さんは散歩をする習慣をもっているが、僕自身も散歩をした後のほうが集中力が増すと感じています。

また、散歩をした後のほうが気分もいいしメンタルが安定するので、物事に取り組みやすくなります。

何も考えないこと、ひとつのことを考え続けること

私たちは急に「集中してください」と言われてもできるものではない。ある程度の準備段階とでもいえばよいか、助走のための時間があって、それから少しずつ集中していくということになる。

その助走スペースは、一日中せわしなく動き回っていてはつくることができない。何もせずに、ただぼんやりと、考えないでいる時間を作ってみる。たとえていうなら海の上に肢体をなげうって浮遊しているような状態だ。集中するときには、そこから徐々に潜っていく。海底へと頭を向けてゆっくりと潜っていくような感じだ。

集中するためには、ただぼんやりと考えない時間が必要だという。確かに一日中せわしなく動き回っていては集中できない。

ぼーっとしているときのほうが考えがまとまることもあるし、アイデアが浮かんでくることもある。

情熱をもち続ける

情熱は、常に何かを探し続けることで保たれる。今まで自分の中になかった何かを発見するというプロセスを大事にするのだ。たとえば今日一局指して、勝ったはいいが何の収穫もなかったとか何の進歩もなかったとなると、やはりモチベーションは下がってしまう。ところがそこに、こういう発見があった、こんな課題が見つかった、研究テーマがあった、となればそこからまた次につながっていく。そいういうものを見つけるプロセスがとても大事な要素になる。心がけるのは、常に違う何かを見つけていくこと。それは現状に不満足でいることではなく、さらに違う何かを常に探し求めていく姿勢だ。

羽生さんが7大タイトルを独占できたのはなみなみならぬ情熱があったからだと思うが、その情熱とは何かについて語られていたので印象に残りました。

常に違う何かを見つけていくこと、というのは本当に共感するし大事なことだと思いました。それは常に変化する、変化し続ける、ということだともいえると思いました。

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この記事を書いた人

1983年生まれです。
仏教を学んでよりよい人生をおくりたいです。
みなさん一緒に学びましょう。

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