死にたい気持ちは普通のこと

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要約

■ 自殺は日常

・ 自殺で亡くなる人は年間2万人。自殺して救急車で運ばれる人は20万~40万人ほどいる。救急車で運ばれずに救われた人がその10倍以上いるはず。200万~400万人は自殺未遂をしている。軽い自殺行動を入れるともっと増える。1年のうちに、20人に1人は自殺未遂をしていてもおかしくない。

・ 自殺は異常事態だと思われているので簡単に起きるものではないと思っているかもしれないが、かなり日常茶飯事に起きている。

・ 主治医に死にたいと言ってもいいのか? そんなことを言ったら主治医は驚くか? という質問があるが、主治医は毎日のように聞くので絶対にびっくりしない。20~30人ほど診察した場合、2~3人が死にたいと言っても驚くことはない。2人に1人が死にたいと言った場合驚く。

・ 1日数人からは「生きていてもしょうがない」と相談される。死にたいと思う人はすごく多い。あなただけが特別死にたいと思うわけではない。

・ 脳疲労がどんどんひどくなり、脳のエネルギーがうまく使えなくなり、脳のエラーが起きて死にたくなる。脳が疲れて壊れる寸前状態。死にたい気持ちがでるのは、脳のエラーが起きているから。脳のエラーが起きる前に休まなければならない。リラックスして、きちんと休息をとらなければならない。

・ 精神科医にとって自殺未遂は日常。毎日のように自殺未遂の患者はいる。特別な事ではない。自殺する確率はすごく高い。

・ 実際に友人や知人に自殺している人がいるはず。自殺の問題は他人事ではなく、自分にも起きるかもしれない。自分の家族や知人や職場の人ならかなり高い確率で起こる。

■ 友人が自殺して後悔しています

ℚ うつ病の友人が自殺したときに会いにいかなかったことをずっと後悔しています。

Ā よくあること。なぜかと言うと、日本の自殺率は年間約2万5千人ほど。一時期は約3万5千人ほどいた時期もある。毎年3万人で10年間で30万人が自殺して30年間で100万人近い人が自殺する。日本では100万人に1人が自殺していることになる。

・ 昔の中学生は1クラス40人いた。中学校3年間で同級生が1人が自殺するの確率的に十分ありえる。

・ あなたの友達が自殺する確率は高い。それに対してあなたに何ができたか? もしあなたが会いに行ったとしても自殺している。自殺は簡単に止められない。

・ 精神科医として多くの患者に接し、自殺念慮、自殺未遂の患者を多く診てきた。自殺を止められないことが時々ある。その場合もっと自分があのとき○○な言葉をかけていたら……○○な関わり方をしていれば……と思うことはある。

・ 今、精神科医として25年ほど経っているが、その状態で医者になりたてのころの患者の自殺を自分が防げるか? というと間違いなく防げない。防げない自殺があるということ。

・ できるだけのことをするのは大切。しかしそれでも防げない場合はある。最終的には患者本人の行動考えになる。

・ 自殺を○○したら防げるというのは無い。友達に会いに行かなくて後悔しているかもしれないが、会いに行っても自殺する可能性はある。自殺した友達を一生懸命サポートしても自殺を防げない可能性は高かった。

・ あなたが会いに行かなかったから自殺したのでは絶対ない。後悔の念はあっても自分を責める必要は全くない。

■ 「死にたい」と思っても死んではいけない理由

ℚ 統合失調症が寛解してますが、もう十分に生きたという気持があり自殺はしないものの、死ねたらいいなと思ってしまいます。これは病気なのでしょうか?

Ā はい。病気です。

・ 自殺と病気の関係を説明します。自殺既遂者について調べた研究がある。90%の人がなんらかのメンタル疾患を患っていたことがわかっている。自殺者の90%は精神科を受診してメンタル疾患の診断がついていた。自殺する人で精神的に正常な人は10%しかいない。

・ 死にたい人の中にはメンタル疾患ではない人もいるが、9割の人がメンタル疾患を患っている。「死にたいです」と考えている場合、メンタルが弱って危険な状態あるは病気の状態になっている可能性が高い。

・ 死にたいと思って自殺行動をとる9割はメンタル疾患。うつ病の場合死にたいと思うこと「希死念慮」がうつ病の診断基準の一つ。つまり死にたいと思うのは病気の症状。

・ 病気の症状とはどういうことか? 病気が悪くなると症状は強まる。病気が改善すると症状が弱まる。それが病気の症状。病気が改善していても症状が悪かったり、病気が悪いのに症状がほとんどないことは普通は考えられない。

・ 死にたい気持ちは病気の症状。病気が悪い状態だと死にたい気持ちがでて当たり前。病気が改善した場合、希死念慮はどんどん小さくなっていく。希死念慮を病気の症状とした場合、病気の改善とともに治っていく。

・ 病気が改善すると死にたい気持ちはなくなるので死ぬ必要はない。一時的な病気の症状に引っ張られて自殺するのはもったいない。死にたい気持ちは病気の症状としてでている。

・ 死にたいと思っていたら病気が治る一歩手前にきている。本当にツラくて苦しいときは死ぬことすら考える余裕がない。うつ病の治りがけに自殺が起きやすい。

・ 今、死にたいと思っても数年後に病気がよくなれば、死にたい気持もなくなる。

・ 死にたいとう気持ちは一過性の感情。死にたい気持ちが10年以上続くことはない。一過性の感情なのでどこかで消えていく。

感想

自殺する人、自殺未遂をする人というのは想像以上に多いことがわかった。それは他人事ではなく自分にも起きることがあるという。僕自身、自殺未遂をしたという経験がある。また友人を自殺でなくしたこともある。自殺を考えることは病気の症状としてあらわれるということを知っていれば、薬を飲むなどして対策をとることができる。しかし、なぜ自殺をしてはいけないのか? という根本的な問いに答える必要があると思う。

生きていれば楽しいことがあるから自殺してはならない。でも自殺しなくても最後はどうせすべての人は死んでしまう。

この問いに答えたのが仏教である。そんなことが仏教に教えられていると知っている人は少ない。

このブログでは仏教について学び、よりよい人生をおくることを目的にしています。

みなさんと一緒に仏教を学ぶ楽しさを共有できたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

1983年生まれです。
仏教を学んでよりよい人生をおくりたいです。
みなさん一緒に学びましょう。

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