要約
ℚ 当たり前のことに感謝することが一番大事だと思いましたが、違うのですね?
Ā 他人に何かしてもらったときに感謝するのは当たり前。これが親切への感謝。その次のステップが日常への感謝。当たり前のことにありがとうと言う。今日一日、健康に過ごせてありがとうや、今日は青空で気持ちがよく過ごせてありがとうなど。今、自分のまわりにある現象をありがたく感じること。最後のステップが逆境への感謝。大変なことが起こったときに感謝できることが逆境への感謝。病気になってしまったとき、なんでこんな病気になってしまったんだ、となるのではなく、病気になったのは働き過ぎだったと気づかせてくれた。もっと自分らしく生きることに気づかせてくれた。病気さんありがとう、といえると、逆境への感謝になる。
・ 逆境に感謝できると、ドーパミン・セロトニン・オキシトシン・エンドルフィンという脳と体によい脳内物質がシャワーのようにでる。だから病気も治りやすくなる。
・ 日常への感謝はいろいろな本に書かれている。当たり前のように三食ご飯が食べられることや、水道水が飲めることなど。外国では当たり前ではない。
・ このような日常への感謝は一般的だが、その上が逆境に感謝すること。
・ 大変なことがあると愚痴を言ったり、他人を責める人は多いがそれによってストレスを増やしている。どんな逆境でも克服してうまくいけば感謝しかない。逆境に感謝できない人は、不運なことが起きたら腐ってしまう。俺の人生はもうどうでもいいや、俺はついていない人間だからどうしょうもないと考えてしまう。
・ 逆境へ感謝をする人は立ち直ることができる。

■ 「自分の弱さを認める」とは?
ℚ 自分の弱さを認めるとは、現在のままのあなたで大丈夫といいきかせることですか?
Ā 自分の弱さを認めることは、今の自分を肯定すること。弱さに限らず強さも認める。良い部分や欠点や短所も認める。自分はそうういう人間だからしょうがない。
・ 世の中のストレスや病気は、全部自分で作っている。自責をしてストレスを増やしている。自分で自分を責めることによって、ストレスホルモンが増えて病気が悪化し、治らなくなる。
・ 自責や他責は病気になったときに必ず起きる心理反応。自責や他責は病気を悪化させ治りづらくするだけ。脱出法は今の自分を認めることだけ。起こってしまったことはしょうがないから、これからできることをやっていく。
・ 今の自分の弱さを認める、また、良い部分も認める。自分を認められると心の平安が訪れる。
■ 調子が悪いのに感謝なんかできるか!
ℚ 感情コントロールができないから精神疾患なのに、感謝できないと思いました。感情コントロール術は無理があるのではないですか?
Ā まずは病気を受容する。そして感謝の気持ちを持てると病気は治りやすい。
・ 感謝の気持はなかなか湧いてくるものではない。湧いてこないからこそ感謝が必要になる。
・ 病状が悪いと自分自身にしか関心が向いていない。感謝の言葉は、相手との関係性のなかで伝えるもの。自分以外に関心が向かないと感謝の言葉はでてこない。
・ 自分の檻に閉じこもっているのが病気の状態。病気の檻から抜け出して、社会生活へ戻ることが治ること。そのなかでは人間関係に配慮しなければならない。そうした気持ちのあらわれが、感謝すること。感謝の言葉がでてくるなら周りの状況を考えられている。
・ 他者とのつながりを取り戻していく。そのなかで感謝の言葉は重要な意味を持つ。いろんな人の助けを受けながら私たちは生きている。それは健康である人も同じ。

感想
逆境に感謝するのはなかなか難しい。こんな大変なことになったのはあいつのせいだ、と怒りがわいてくる。しかし、逆境を乗り越えることができると、不思議なことに、これでよかったなと満足感がでてくる。逆境に感謝できると、脳内に幸せホルモンが分泌されるという。逆境は辛いが、克服したときに大きな幸せが待っている。
仏教ではすべてのことはうつろい変わりゆく、諸行無常であると教えられる。人生のなかでずっと順境が続くこともなければ、ずっと逆境が続くこともない。だから「沈んで屈するな、浮かんで奢るな」という言葉がある。逆境のときは忍耐が大事で、腹を立てないことや、自暴自棄にならないこと。耐えていれば、諸行無常の世だから必ず変化が起きる。これを知っているだけでずいぶん気持の持ち方が変わってくると思う。
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