要約
生死 生と死は紙の表と裏の関係
→ 生あっての死 死あっての生
死 必ずやってくる いつかはわからない
生きる方法ばかりを知りたい人が多い
→ 食事に気をつける 運動して健康を保つ
→ 資産運用の勉強 家族が仲良く過ごすには
生と死は台所とトイレの関係
台所 冷蔵庫の中に好きな食べ物が入っている みんなが好きなところ
トイレ 汚いところ みんな嫌い
→ トイレがなければ台所で安心して食事ができない
仏教では死の準備がなされていない生は、明るい生にならないと説かれている
すべての人は生のことだけを考え死を完全に忘れている
ただ今生にのみ耽りて、是れ程にはや目に見えてあだなる人間界の老少不定の界と知りながら、ただいま三途・八難に沈まん事をば、露塵ほども心に懸けずして、徒に明し暮すは、これ常の人のならいなり。浅ましいというもおろかなり。 (蓮如上人)
生きているのは薄氷の上を歩いているようなもの いつ氷が割れて落ちてしまうかわからない
→ 薄氷の上ではなく盤石な大地の上を歩けるようにする
感想
生と死は表と裏の関係。死の準備をなさなければ、明るい生にはならないという。それは台所とトイレの関係と同じだという。その例えがとても面白い。トイレがなかったら、安心して台所で食事ができない。
北野武監督の映画「HANA-BI」を観たときに主人公が死に向っていく姿が描かれていた。主人公は死がやってくることをわかっているから後悔しない生き方をしているように見えた。映画を見終わったとき、死を見つめることで生が輝くことが描かれていたと思った。
仏教では死の準備とは後生の一大事の解決といわれる。死んだら終わりではない。死んだ後、どこへ行くのかをはっきりとさせることが大事だと説かれる。後生の一大事を解決してようやく準備が整うことになる。
死を見つめる映画や小説はたくさんあるが、後生の一大事の解決をすることが大事だと説かれるのは仏教だけだ。
仏教では世間一般には広まっていない価値観を学ぶことが出来る。
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