あらすじ
パリの自動車販売会社に勤めるヴァンサン(イヴァン・アタル)は、不動産会社で働く妻のガブリエル(シャルロット・ゲンズブール)と、小学生の一人息子と共に暮らしている。ヴァンサンの友人でホテルに勤めるジョルジュ(アラン・ジャバ)と妻ナタリー(エマニュエル・セニエ)はいつも夫婦喧嘩が絶えない。もう一人の友人フレッド(アラン・コーエン)は独身で、女性にモテモテ。ヴァンサンとジョルジュはフレッドをうらやんでいるが、フレッドは孤独よりも妻がいる方がいいと反論している。平穏だが満ち足りているわけではないガブリエルは、ある日、レコード店でCDを視聴していた時、隣で同じ曲を聴いていた男性(ジョニー・デップ)のことが気になり、少し後を追ってしまう。そんな中、ヴァンサンはいつの間にか、エステティシャンの愛人(アンジー・デイヴィット)を作っていた。ガブリエルは夫の浮気に薄々気づいていたが、問いただそうとしない。彼女は息子を連れてリゾート地へバカンスに行く。そこでプレイボーイ風の男(キース・アレン)に出会うが、会話はしても仲を進展させることはしなかった。ある日、ガブリエルが女友達とレストランで食事をしていると、偶然隣の席にヴァンサンの愛人が、母親(オーロール・クレマン)と食事に来ていた。愛人は、ガブリエルがヴァンサンの妻であることに気づく。それ以来、ヴァンサンと愛人の仲はこじれてしまう。まもなくフレッドが、恋人の一人が妊娠したことで結婚を決意。喧嘩していたジョルジュとナタリーの夫婦も仲直りした。一方、ガブリエルは、自分の会社に物件を探しにきた客として、あのレコード店で逢った男性に再会。共にエレベーターに乗りながら、幻想の中で彼とキスするのだった。
監督略歴
イヴァン・アタル 2歳までテルアビブで過ごしその後フランスへ。演劇学校在学中に「ブルースが聞こえる」の舞台でデビューしTVにも出演。89年「愛さずにいられない」の助監督として働いていたが、主人公の相棒役が決まっておらず、ひょんなことから演じることとなる。しかし思いの外これが好演技でセザール賞の新人賞を受賞。「愛を止めないで」では恋人に会いたい一心でバス・ジャックをしてしまう朴訥な青年を演じてこちらも好演。本作で共演した恋人役のシャルロット・ゲンズブールとはその後交際を始め、97年には男の子が生まれた。

感想
夫婦生活というのは難しいものだな、というのが素直な感想です。長く一緒に暮らしているとケンカも増えるし、子供がいると子供の面倒をみるのも大変。主人公は夫婦生活がうまくいっているように見えたが、実は愛人を作っていた。妻もレコード店で見かけたイケメンの男性に心を奪われていた。
大好きな人と結婚したはずなのに、いつのまにか心が離れてしまう。他の異性を求めてしまう。愛は永遠には続かない。まさにすべてのことは続かない、仏教でいう諸行無常だと思った。
夫が愛人を作ったら、それを許せるのか、あるいは離婚するのか。よく話し合わなければならない。夫にも妻にもなんらかの原因があるはず。それをお互いが認識したうえで、それでも一緒にいるのか、別れるのか。
離婚することはネガティブなイメージだが、夫婦生活がうまくいかないのなら別れることもありだし、別れた方が幸せになれることもあると思う。夫に対して恨み続ける人生よりも、魅力的な男性を見つけることに力を注いだほうが絶対に幸せになれる。
本作は改めて夫婦生活を考えさせられる映画でした。
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