一生脳が冴える歩き方

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書籍

著者 築山節

1950年(昭和25)年、愛知県生まれ。公益財団法人河野臨牀医学研究所附属北品川クリニック・予防医学センター所長。日本大学大学院医学研究科修了。埼玉県立小児医療センター脳神経外科医長、公益財団法人河野臨牀医学研究所附属第三北品川病院長、同研究所理事長を経て現職。脳神経外科医として数多くの診断・治療に携わる。1992(平成4)年、脳疾患後の脳機能回復を図る「高次脳機能外来」を開設。ベストセラーとなった『脳が冴える15の習慣』(NHK出版)をはじめ、著書多数。

はじめに

19世紀ドイツの偉大な哲学者・ニーチェは、こんな言葉を残しています。「すべての偉大な思想は歩きながら生まれた」その言葉の通り、古代ギリシャの哲人・ソクラテスや、その弟子・アリストテレスは、歩きながら市井の人々と議論して思索を深めました。

実は、歩くことは脳の働きと深い関係があります。歩くと全身の血流がよくなり、脳にも十分な酸素と栄養素が供給されるため、脳の働きが活発になるのです。

さらに、歩くことで分泌されるホルモン様のタンパク質「イリシン」は脳由来神経栄養因子「BDNF」を増加させ、神経細胞の成長やシナプスの強化を促進します。

つまり、医学的な観点から、歩くことは脳を活性化といえるのです。

本書は、歩くことについて、を医学的な観点から書かれています。普段の生活では知ることのない、歩くことの効用、がわかります。

歩くことと、脳、が関係あるなんて知らない人がほとんどだと思いますが、実は関係があるんです。それがわかると、積極的に歩こうという意識がめばえ、今すぐにでも歩きたくなることと思います。

本書の中で僕が心に残った三カ所を紹介します。

歩くことは「脳」にもいい影響をもたらす!

認知機能の向上。歩行はとくに、加齢に伴う退行的な変化——例えば感覚が鈍くなる、反応が遅くなるといった問題——を抑える効果があります。さらに神経障害からの回復をサポートすることもわかっています。よって歩行は脳の機能を維持・改善するために非常に有効な手段となります。

(中略)さらに歩くことは、高次の脳機能、つまり思考力や判断力、集中力などの向上にも寄与します。このような効果は、継続することにより、さらに顕著に表れます。つまり、歩行はただの運動ではなく、脳を活性化させる重要な方法のひとつであり、健康維持や認知機能の改善に大いに役立つといえるでしょう。

歩くことで脳が活性化され脳の機能が高まるということがわかれば、歩くことのモチベーションが高まると思います。ただ歩くのと、歩くことで脳の機能が高まることを知って歩く、では大きく違ってきます。

歩くことでどのような効果があることを知ることはとても大事なことです。

運動機能を高め、脳に刺激を与える「歩数記録」

近年の研究で、運動は脳由来神経栄養因子「BDNF」の発現を増やすことが報告されています。認知機能の回復や、神経障害からの回復に役立つことが証明されたからです。BDNFは、神経細胞の成長や再生を促す働きを持つ、いわば「脳の栄養分」のような存在です。脳のさまざまな部位に存在していますが、とくに記憶や学習に関わる重要な領域である海馬で多くつくられています。

このBDNFは、脳の健康を維持し、機能を高めるうえで非常に重要な役割を果たしています。例えば、歩行などの有酸素運動を継続的に行うことで、脳内のBDNFの分泌量が増加します。すると、神経細胞が新たに生れたり、すでにある神経細胞同士のつながりが強化されたりして、脳内に新しいネットワークが形成されやすくなるのです。

こうして神経の再生やネットワークの強化が進むことで、記憶力や判断力といった認知機能が向上し、年齢に関係なく脳がよりよく働く状態へと導かれていきます。

BDNFは、神経細胞の成長や再生を促すことになるという。それが記憶力や判断力を向上させる。歩くことで頭がよくなるということを、脳科学的に説明できていることがあきらかになっています。

これを知っていれば歩くことが楽しくなります。

「小さく始める」ことが習慣化のコツ

まずは、無理のないところから始めることが大切です。習慣が身につくまでには、一般的に2カ月ちょっとかかるといわれています。例えば、「1日30分程度、週3日のウォーキングを1ヵ月続ける」といった、現実的で続けやすい計画を立てることがポイントです。

また、初めから完璧を目指さなくても大丈夫です。天候や体調によって歩けない日があっても、ところどころの「1回休み」は習慣化にあまり影響しません。「1回休み」をしても落胆せず「明日やろう」と気持ちを切り替えることも重要です。

習慣化のコツは、小さな成功体験を積み重ねること。

カレンダーに歩いた日を記録したり、歩数計の数字を眺めてみたりするだけでもモチベーションになります。

何ごとも習慣にするまでには、続けることが大事ですが完璧主義では続きません。特に歩くことが義務のようになってしまったら、苦しくなってしまいます。

歩くことが、気持ちいい、爽快だ、楽しい、と思えることが続けることに必要です。

僕自身は毎日歩くことを習慣にしていたときに、今日は体調悪いから歩きたくないな、と思ったときでも無理して歩いたときは、とても疲れてしまい気分も下がってしまうことがありました。

それよりも体調が悪いときや天候が悪い時は、今日は休む日だ、と思ったほうが長く継続できると思います。そうやって完璧主義を手放すことで僕は10年以上歩く習慣を身につけることができました。

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この記事を書いた人

1983年生まれです。
仏教を学んでよりよい人生をおくりたいです。
みなさん一緒に学びましょう。

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