書籍
著者 安岡定子
1960年東京都生まれ。二松學舎大学文学部中国文学科卒業。安岡正篤師の次男・正泰氏の長女。現在、安岡活学塾の講師として「銀座・寺小屋こども論語塾」「文の京こども論語塾」等都内の講座以外に、宮城県塩篭、宮崎県都城、茨城県水戸、京都府京都市等、全国各地で定例講座は19講座に及び、幼いこども達やその保護者達に『論語』を講義して話題を集めている。
著書「親子で楽しむこども論語塾」シリーズ(明治書院)は、30万部を超えるベストセラーに。他に『絵でみる論語』(日本能率協会マネジメントセンター)、『素顔の安岡正篤——わが祖父との想い出の日々(講談社)などがある。

はじめに
『論語』は、不思議な魅力に満ちた書物です。哀しい時には、その痛みを和らげてくれ、落ち込んだ時には、大丈夫だと励ましてくれ、迷った時には、心落ち着かせてくれる。失敗した時には、ここからが肝心! さぁ、頑張ろう、と元気づけてくれる。気がつけば、いつも身近にあり、寄り添っていてくれる。私にとってはそんな存在です。
『論語』の言葉は、心の奥にそっと眠っていて、いざという時に、すうっと現れて、支えてくれるように思います。その時々で違う言葉が姿を現します。たとえ同じ言葉であっても、その時の自分の心情や状況によって、受け止め方が変わります。
本書は「論語」について、とてもわかりやすく解説されています。小さな子どもにもわかるように、平易な文章で、読みやすく、理解しやすくなっています。
「論語」の章句を覚えていると、その時の状況にあった言葉がふと頭に浮かんでくることがあります。自分の気持ちと「論語」の章句がリンクしたときは心が癒されます。そこに「論語」の奥深さを感じることができます。
本書の中で僕自身が心に刺さった箇所3つを紹介したいと思います。
心通じる人は必ず現れる
子曰わく、
徳は孤ならず、必ず隣有り。
【孔子先生はおっしゃった。「徳を身につけた人は決して孤独にはならない。必ず理解し寄り添ってくれる人が現れるものだ」】
徳、すなわち思いやりや誠実さを心がけていると、不思議な出会いがあると僕自身感じています。思いやりや誠実さを持った人には同じような人が集まってくる。
類は友を呼ぶ、と昔から言われるとおりです。よい縁を持ちたかったなら自分がよい人間にならなければならない。逆に悪いことばかりしていたら、自分の周りには悪い人ばかりがよってくる。
行動で示そう
子曰わく、
剛毅朴訥、仁に近し。
【孔子先生はおっしゃった。「意志が強くて行動力はあるが、口下手で飾り気のない人は、仁者に近いといえるだろう」】
言葉ではなく、行動で示せる人の方が、誠実であるというのはとても納得する。特に恋愛において言葉で愛をささやくことは簡単だが、行動で愛を示すことのできる人こそモテる人だと思う。
その人と長くいい付き合いをするならば、たとえ口下手でも、優しさを行動で示せる人とは長くいい関係が築くことができる。
僕自身もそうなれるように自分を磨いています。
努力し続けることは素晴らしい
子曰わく、
学んで時に之を習う、亦説ばしからずや。
朋有り、遠方より来る、亦楽しからずや。
人知らずして慍らず、亦君子ならずや。
【孔子先生はおっしゃった。「学んだことはいつまでもよく復習する。そうすると理解が深まる。それはなんと嬉しいことだろう。同じ志を持った友がやってきて語り合えたら、なんと楽しいことだろう。人が自分の実力や努力を認めてくれなくても落胆しない、これこそが君子だ。】
頑張っている人ほど、他人に認めてほしい、褒めてほしいという気持ちになるが、大切なのは誰のためでもなく自分のために努力し続けることだという。
自分の頑張りは誰かから評価されたいと思うけれど、自分の思うような評価が得られないこともある。そんなときでも頑張ること自体が楽しいと思えるものを見つけたい。
僕自身はブログを書くことがそれにあたる。頑張っているから評価されたいという気持ちは強いが、ブログを書くこと自体が楽しいので続けられている。

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