1日ひとつだけ、強くなる。 世界一プロ・ゲーマーの勝ちつづける64の流儀

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はじめに

はじめまして。プロゲーマーの梅原大吾です。早いもので、僕が14歳で日本一になって約20年、プロ・ゲーマーになって5年が経ちました。「やめ時はきちんと考えてよけよ」と父に言われたことを思い出します。僕自身、プロとして全うできなくなれば、いつ辞めてもいいという覚悟でした。 プロ・ゲーマー? テレビゲームを遊んでお金を貰えるのか、いい気分なものだ。そう思う人もいるんじゃないでしょうか。そうかもしれません。何と言っても”あの”ゲームですから。まだまだゲームのイメージは社会的にそれほど高いとはいえません——

本書の著者 梅原大吾 1981年青森県生まれ。日本初のプロ・ゲーマー。14歳で国内最強となり、1998年、17歳で世界大会で優勝。その後一度はゲームの世界を離れ、介護職員として働いていたが、2009年の大会優勝をきっかけに復活。世界的ゲーム機器メーカーMad Catzとプロ契約を締結する。同年8月「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロ・ゲーマー」としてギネスに認定。世界のゲーマーたちの間でもカリスマ的な人気を誇り、The Beast(野獣)と呼ばれる。2013年5月にはニューヨーク大学にプロのゲーマーとして初めて講師として招かれた。麻雀でもプロ並みの腕前。

本書は梅原さんの著書3冊目となっている。前作同様ゲームの勝負哲学について語られている。この本のなかで僕が心に刺さったことを3つ紹介したい。

その1

僕がやっている方法は「新しい発見を毎日メモして、成長を確認する」というもの。これは「最近自分に成長がないな」と思っている人にお薦めしている。とりたてて難しいことをするわけではない。シンプルに「今日1日を思い返してみて、何か気づいたことはないか」と自分に問いかけ、思いついたことをメモする。大きな発見だけでなく、小さなことでかまわない。いや、むしろ小さなことのほうが大切くらいの気持ちがいい。

一日を振り返り何か気づいたことはないかを考えるのは、とてもいいことだと思った。それは大きな発見ではなく、小さなことを気づくことが大切だという。小さなことはたいして意味がないと思いがちだが、小さなことにこそ意味がある。大事な考え方だ。

その2

そもそも、格闘ゲームで100戦100勝は無理。必ずどこかで負ける。負けても命は取られないし、何度でもチャレンジできる。負けることを怖がっても仕方ない。第一、負けることは挫折ではない。それよりも「今日は何の発見もなかった」と思うほうが僕にとっては怖い。

梅原さんは、ゲームの勝敗よりも自分の成長に目を向けているのがわかる言葉だ。負けることよりも何の発見もなかったほうが怖いという。それは常に自分を高めようとする意識のあらわれであり、負けて落ち込んでいる場合ではないということだと思う。負けから何を学ぶか。それが成長するには大事なことだと感じた。

その3

ゲームに限らず「これはもう無理だ」「可能性がないだろう」と思ってしまうことは、日常の中でもあるものだ。そこで「本当にどうしようもない」と考えると、可能性が途絶えてしまう。それではもったいないし、つまらない。本当に何もないのだろうか。そのときの自分に分からないだけかもしれない。どれだけ経験があったとしても、見落としていたり、気づけていない可能性がある。「何かあるはず」と思って探していると、大抵の場合は何かがある。(中略)思いついた、だけでは足りない。そうしたら、それを試してみる。駄目なら、また別のやり方を考えて試す。すべての選択肢をやり尽くす覚悟さえあるのなら、そうそう伸び悩むことはないと思う。うまく行かなかったやり方とは違うことを試すわけだから、いずれいい答え、いいやり方が見つかる可能性が高い。

何かがうまくいかないとき、もう無理だとか可能性がないと思い諦めてしまうことがある。しかし、そこで諦めるのではなく新しいことを試してみることが大事だという。試してみて駄目ならまた別のやり方を試す。すべての選択肢をやり尽くす覚悟をもっていれば、うまくいく可能性も高くなる。この、すべての選択肢をやってみる、というところがなかなかできることではないが、重要な考え方だと思った。

本書には他にも勝負哲学について遺憾なく発揮されている。ゲームの勝ち負けといってもそこにはとても深い思考があり、学べるところはたくさんある。この本を読むとプロ・ゲーマーに対しての見方が180度変るといってもいいだろう。

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この記事を書いた人

1983年生まれです。
仏教を学んでよりよい人生をおくりたいです。
みなさん一緒に学びましょう。

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