要約
■ 欠点を直せない最大の理由がコレです
ℚ 以前、自分の身近な人に自分の悪いところ・醜いところを認めて見つめることが自分を変える第一歩と言われました。あなたはその闇を見ることから逃げているとも。先生はどう考えますか?
Ā 100%正しい。受け入れる「受容」が大事。たとえば、うつ病を告げても受け入れない人が多い。受け入れないから通院や服薬を拒否する。きちんと受け入れていれば、通院・服薬して早く治すべきだと気づく。多くの人は受け入れていない。受け入れているようで腑に落ちていない部分がある。
・ 重たい病気などを指摘されるとつい否定してしまう。事実を突きつけられたとき思わず否定してしまうのが否認。受け入れないのは否定と同じなので前に進まない。世の中のほとんどの人が否認する。受け入れたなら、どうすれば治せるのか考える。
・ 受け入れられればすぐに行動してもう治っているはず。受け入れないと前に進めない。自分の欠点や病気、性格・コンプレックス、そいういったものを受け入れる。簡単には受け入れられないから自分自身を洞察する練習をしていく。
・ そのために日記のようなものを毎日つける。そうすると自分の悪い癖が見えてくる。受容をすることでメンタル疾患は治りやすくなる。

■ 「治りたい気持ちと治りたくない気持ち」の付き合い方
ℚ 病気を治したい気持ちと治りたくない気持ちがあって、主治医を含む周りからの前向きなサポートにあまり嬉しい気持ちになれません。かといって治りたくない訳ではないので症状を持ちながら生活をしているのはツラいです。
Ā 病気というのは否認→受容→感謝の順がある。精神科医キュブラー・ロスは末期がんで余命宣告された場合どう受け入れるか何百人も観察した結果、否認から受容に至り感謝するという結果を発表している。
・ 受容には時間がかかる。1年で病気が治る場合、受容するまでに6~9か月かかる。受容してからは数か月で治る。受容するというのは自分の弱さを認めることも含まれる。ダメな自分を認められることも受容。
・ 病気に囚われるのは過去に囚われること。それは断ち切って今できることをやるしかない。今できることは睡眠・運動・朝散歩で生活習慣の改善。薬を飲んで治療する。リハビリをしながら復職活動をする。
・ 質問者は否認と受容が葛藤している段階。否認から受容の段階の半分まできている。治りたい気持ちと治りたくない気持ちが混在していることに対して、多くの患者は戸惑いを感じるがそれは当然のこと。
・ 治りたい気持ちと治りたくない気持ちが混然一体となることを心理学では「アンビバレント」と言う。相反する考えが同時に起こる。アンビバレントな自分も含めて認める。
■ 「病気が治る人」と「治らない人」の違いとは
・ メンタル疾患で治療中の人はなかなか病気が治らないと言う。何か月も通院と服薬をしている。あるいは何年も通院と服薬をしている。どうしたら治るのかという質問が多い。なぜ病気が治らないのか?
・ 病気が治らない人の特徴 <病気と戦っている人、抗っている人> <悪口が多い> <ネガティブな言葉が多い> <しかめっ面が多い> <何でも不安に思う> <ストレスの原因を取り除こうと頑張っている> <人に相談しない> <「苦しい」を我慢してしまう> <他人を責める> <自分を責める> <過去にこだわる> <症状のよくならない部分にこだわる> <医者を信頼していない> <よく病院を変える> <自分一人でやろうとする>
・ 病気が治る人の特徴 <病気を受け入れている> <感謝の言葉が多い> <ポジティブな言葉が多い> <笑顔が多い> <小さいことにクヨクヨしない> <リラックスしている> <ストレスにも、まあいいかと思う> <人に気軽に相談する> <「苦しい」を表現する> <他人を許している> <自分を認めている> <今を生きている> <症状のよくなった部分に注目する> <医者を信頼している> <一つの病院に継続して通院している> <支えてくれる家族や友人がいる>
・ 病気の最初の状態では自分や他人を責める。「早く病院に行っていれば」と自分自身を責めたりする。そのときの脳内ではどういう状態か? アドレナリンがでたり、ストレスホルモンのコルチゾールがでたりする。ストレスの原因を自分で作っている。
・ 悪口やネガティブなことばかり言うのも同じ。そういうことを言うとアドレナリンがさらにでる。自分で自分の病気を悪くしている。そういう状態を直さないと病気は治りようがない。
・ 少しだけ自分の言葉や行動を変えることで、メンタル疾患がすごく治りやすくなる。自分や他人を責めたり怒っているうちは治らない。

感想
重い病気になったらまず受け入れることが大事だという。受け入れることで今からの行動を変えていこうと考えることができる。それがなかなかできない。僕自身も、メンタルの病気になったときはそれを受け入れるのには時間がかかったが、服薬や通院はしっかりしていた。どうすれば病気がよくなるかを本で勉強したし、ウォーキングがいいことも本で学び実行している。
仏教のなかには今からの行いを見つめることが大事だと教えられる。「未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ」という言葉があり、今からの行動で未来は変わってくる。過去と他人は変えられないことは多くの人が知っている。だからこそ今からどうするかが大事になる。
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