仕事を辞める人と続けらる人の違いとは
ℚ 仕事を辞める人・続けられる人の違いとは?
Ā 複雑な要素があるので一言では言えない。仕事を辞める理由もたくさんある。自分には合わないから辞める。人間関係がよくないから辞める。あるいは我慢する力が弱いので辞める。
・ 一方で辛抱強く仕事を続けられる人もいる。私(樺沢)は経営者の友人がたくさいるが、人を雇っても失敗したときに怒ると次の日から仕事にこなくなる。
・ 面接で採用したバイトの人がある日突然仕事にこなくなる。そのような経験がたびたびある。仕事を続けられない人の理由の一つに、レジリエンスが弱いというのがある。
・ レジリエンスとは心のしなやかさ。レジリエンスが弱いとメンタル疾患になりやすい。レジリエンスが強いといろいろなストレスに対応しやすい。レジリエンスが弱い人は真に受けてしまう。ストレスをガーンと受け止めてしまう。
・ 最近、レジリエンスが注目されている。職場に勤める場合でも初日から「この会社楽しい」「この会社やりがいがある」と思うことはありえない。仕事を覚える前ではプレッシャーがある。
・ 仕事を上手くこなすようになるまでは仕事や職場が楽しいと思うことは難しい。そういったときも心のしなやかさで真に受けず深刻にならず、上手く受け流しながら仕事をしていく。
・ 状況を深刻に捉えるほどストレスを真に受けてしまって辛くなり仕事を辞めたくなる。逆にいえば、仕事を楽しむ要素が重要です。仕事を与えられたときに楽しめるか。
・ 自分にとって苦手なことであれば、自分の苦手を克服するチャンスだと思えれば楽しむことができる。それが、何で苦手なことをやらされるんだと思えばマイナスになって落ち込んでしまう。
・ 何事も自己成長のチャンスと考える。コンフォートゾーンを脱出して自分の大きな挑戦と捉える。そのように物事を楽しめる能力を持つ。それを持つ人と持たない人では、人生の楽しさが全然変わってくる。
・ 楽しむ能力のない人はどの職場にいても楽しくないはず。100%楽しい職場などあるはずがない。あるとしたら自営業で自分が作った場合。誰かが作りあげた職場というのは、あなたのための職場ではない。
・ 大変な部分を楽しめる能力を育てていけば、どこの職場にいっても楽しいが起こる。今の自分に合う職場を見つけるのではなく、よい職場を見つけるのでもなく自分自身が成長して変わっていく。自分自身が成長して変わることで、普通の職場も楽しい職場になる。
・ 自分のコミュニケーション能力を活かすと、つまらない殺伐とした職場が明るく楽しい職場に変えられる。それくらい積極的でポジティブな気持ちがあれば、楽しく仕事を続けることができるはず。
◇ 自分が自己成長することによって、仕事を続けられる人に変わることができる。

「仕事ができる人」になる方法
ℚ 上司に仕事のできないヤツ扱いされています。今までそんなことはなかったのですが、今年からいきなりそのような扱いを受けて戸惑っています。どんなふうに対応すればよいでしょうか?
Ā 職場で一番仕事ができるのに仕事ができないと評価されているのか? おそらくそうではないはずです。仕事でいまいちな点があるからマイナスの評価を受けている。
・ 私が考える対処法は、バリバリ仕事ができる人になればいい。そのためにはどうすればいいか。インプット・アウトプット・フィードバックをして自己成長していく。
・ 今の自分が70点だとすると、75点→80点→85点→90点の自分になっていくことを目指していく。今の70点のまま勉強もせずに仕事ができる人と言われたいというのは無理です。
・ 今より仕事ができるように自分が変わるしかない。仕事ができない=成長していない。
・ 20代のころにバリバリ仕事をしていても、その後ずっと成長していないとしたら、本来40代ならもっとしているはずだと思われ、仕事ができない人と評価される。
・ 自己成長するためには勉強すること、学ぶということ。一番いいのは読書。あなたにとって一番苦手な領域を本によって学ぶ。学びを実践して短所を克服する。あるいは得意な領域を学んで伸ばす長所伸展。
◇ 短所克服か長所伸展をする。そういうことをしながら今よりも仕事ができる人になる努力をしていく。いきなり仕事ができる人にはならない。努力をしていると上司に認められるときがくる。職場の上司・同僚・後輩は意外と見ている。
天職とお金
ℚ 「ストレスフリー超大全」の中に天職の見つけ方の記載がありましたが、天職があまりお金にならない仕事の場合でもその仕事に従事した方がいいのでしょうか?
Ā 今の仕事をしていて給料が低いから転職したい人は多い。今の職場が働きやすく充実している、キャリアや経験を積むことが出来る、勤めていたことがのちのち役に立つなら他の選択肢がある。例えば副業をするなど。経験やキャリアを今の職場で積みながら副業をすると収入が得られる。
・ 例えば、20代~30代前半の人が転職しても給料が5万円以上あがるとは考えにくい。もしあがるなら迷わず転職すると思う。転職しても数万円しか変らないなら月数万円の副業をしても同じ。本業を副業の収入でサポートする。
・ 仕事はライスワーク・ライクワーク・ライフワークにわけるとよい。ライスワークとは生きるためにお金が必要なので働くこと。給料を得るためにするのがライスワーク。ライクワーク(適職)はやっていて楽しい、充実している、ストレスがなくできる好きな仕事。ライフワーク(天職・生きがい)は、この仕事をやっているときの自分らしさを発揮して輝ける、これをやるために生まれてきたといえるのが天職。
・ 天職を見つけるのは簡単ではない。人生で最終的にたどりつくもの。
・ 例えばミュージシャンになりたい場合、ミュージシャンでお金を稼ぐことはなかなか難しいので副職で稼ぎながらミュージシャンを目指す方法もある。仕事を一つしか持たないという発想が人生の選択肢を狭めている。
・ ライスワークとライフワークを併用する。そうすれば好きなことをやりながらお金も得られる。
・ 30代で最もやりたい職業に就いてもそれが天職かはわからない。仕事の種類もあるが、誰と仕事をするかも重要。嫌いな仕事も仲間がいれば意外と楽しい。職場の雰囲気や人間関係が良く、働きやすいとライフワークと思うかもしれない。
◇ いろいろな選択肢の中から試行錯誤していくと、最終的に良い結果になる。融通性のある仕事選びをして最終的に天職にたどり着いて欲しい。
仕事ができる人の特徴ベスト3
ℚ 樺沢先生のなかで仕事ができる人の特徴ベスト3を教えてください
第1位 インプット力が高い人
・ インプット力とは仕事の指示を聞き洩らさないこと。ほとんどの人は話を聞いていない。患者さんにカウンセリングで説明をしたとき、今言ったことを言ってくださいと聞くと無言になる人がほとんど。
・ 薬の説明や副作用の説明をして理解できたか確認したあとに、説明したことを覚えている範囲で言ってもらうと答えられない。これをザル聞きという。
・ 仕事の依頼をされたときにポイントが5~10個ほどあってもザル聞き。指示した直後に確認するとポイントをいくつか落としている。
・ 言われた直後にすら覚えていないことを締め切りまでにやることはない。メモを取らない場合、10個中7個のポイントを聞くのが限界。すごく能力の高い人は10個のポイントを覚えてあとからメモをして指示を洩らさない。普通の能力の人は7~8個までしか聞けない。
・ アウトプット力も大切だがインプット力が低いと指示を聞き洩らす。どれだけ仕事能力が高くても頭もよく意欲的でも、指示を聞き洩らすとどうにもならない。
◇ ほとんどの人は聞き逃している。多くの人が仕事ができなかったりミスが多い人は、別にミスが多いわけではなく、最初から聞けていない。それを防ぐためには、メモをとりながら聞く。
第2位 アウトプット力が高い人
・ 会社の仕事は基本的にインプット仕事。インプット仕事とは人から言われた仕事を言われた通りにやること。アウトプット仕事とはアイデアを追加したり、自分で考えること。自分で提案したりグレードアップすること。
・ 自分で考え、自分で行動する。アウトプットを中心にしていく仕事。クリエーターなどはアウトプット仕事といえる。
・ 普通の会社員が提案をした場合、うちの会社では無理と一蹴される。改善案を伝えた場合、そんなことはいいからまず基本的な事をやれと言われる。
・ アウトプット仕事をやってもうざいと思われる会社も多い。日本の会社の大部分はインプット仕事。だからまず言われたことを言われた通りにやる。どこで差がつくのか。アウトプットで差がつく。
・ アウトプット=話す、書く、行動する。自分で考えていろいろ仕事をした場合、他の人に伝わらないと社内で評価されない。仕事がだめな人は「報・連・相」ができていない。
・ 適切なタイミングでベストな「報・連・相」ができた場合、トラブルやミスが発生するはずがない。発生したとしても上司が把握しているので自分の責任ではない。
◇ 評価される人は適切に報告や相談をしている。コミュニケーションもアウトプット力。職場の人間関係に問題を抱える人はコミュニケーション力が低い。なのでコミュニケーション力を高める練習をして人間関係がよくなっていく。
第3位 フィードバックできる人
・ ミスをすることは誰にでもある。重要なのは同じミスを二度としないことが修正力。起こってしまったことは仕方がないので失敗の原因を考える。
・ それを次の仕事やプロジェクトに役立てる。そうすることで同じミスがなくなりより高い仕事ができるようになる。これがフィードバック力という。
・ フィードバック力が高い人はどんどん成長する。一個のプロジェクトをやるごとに成長する。フィードバックしない人は成長しないので同じミスをして低迷する。
・ 同期入社でどんどん成功する人、と、なかなか成功しないでイライラする人、に分かれていくのはフィードバック力の違い。修正して自己成長していけるか。
・ 一生懸命やっても評価されない人はフィードバックが足りない人。頑張っても評価されないなら足りない部分がある。それを自己分析して補っていかないと、いつまでも評価されない。
・ インプット・アウトプット・フィードバックをしていくと自己成長するし、仕事や会社での評価がアップする。そして昇進していき給料もあがる。
◇ 自分は仕事力が低い、昇進しない、評価されないという人はインプット・アウトプット・フィードバックのどこかが不足しているか全部できていないか。

感想
インプット・アウトプット・フィードバックをすることで、自己成長をして仕事のできる人になることができるという。仕事ができる人になれば、仕事が楽しくなるし評価もあがり、給料もよくなる。
仕事ができるようになるまでは時間がかかるから、忍耐が必要になってくる。しかし、忍耐できず辞めてしまうことも多々あると思う。僕自身、転職して仕事をしてみたが自分に合わないと思い一年も経たずに辞めてしまったことがある。
僕が長く続いた仕事は、仕事内容よりも人間関係が良かったところが大きい。人間関係に恵まれるかどうかはとても重要だと思う。職場の人と良好な関係を築くためには、もちろん自分の人間性を磨く必要があるが、それでも誰と出会うかは選べないのでうまくいかない場合もある。
コメント