私たちの身の回りで起こる出来事は、偶然のように見えることがあります。
しかし仏教では、「すべての結果には必ず原因がある」と教えられます。
これを因果の道理といいます。
因果の道理についてはこちらで詳しく解説しています。

偶然は存在するのか
何もないところから、突然ポンと現れる出来事は一つもありません。
どんな結果にも、必ず原因(因)と条件(縁)がそろっています。
数学者のポアンカレは「偶然」についてこう述べています。
我々の目に止まらないほどのごく小さな原因が我々の認めざるを得ないような重大な結果を引き起こすことがあると、かかるとき我々はその結果は偶然に起こったという。
つまり、「偶然」とは原因がないのではなく、原因が小さすぎて気づけないだけなのです。
運命は偶然ではない理由はこちら

小さな原因が大きな結果を生む
この考え方は、現代科学でも語られています。
それが「バタフライ・エフェクト」です。
一匹の蝶の羽ばたきのような出来事でも、条件が重なれば、やがて大きな変化へとつながっていきます。
また、マザーグースの有名な詩にもあります。
一本の釘が足りずに蹄鉄が打てず、
蹄鉄が足りずに馬が走れず、
馬が走れずに騎手が出られず、
騎手が出られずに司令が届かず、
司令が届かず戦に負けて、
戦に負けて国が滅びた。
何もかも一本の釘のせい。
すべては、たった一本の釘から始まっています。
このように、小さな原因が連鎖し、大きな結果を生むものです。
一切法は因縁生なり
仏教では、
一切法は因縁生なり
と説かれます。
すべての出来事は、因(原因)と縁(条件)によって生まれるという意味です。
たとえば、一粒の芥子(けし)の種。これも突然できたものではありません。
芥子粒の中に大千世界を入れて広からず狭からず
・過去の種から花が咲き
・花から新たな種が生れ
・さらに水・太陽・風などの条件が加わる
こうして初めて、一粒の種が存在します。
つまり一粒の中に、過去から現在、さらには大宇宙までのつながりが含まれているのです。
「今」がすべてを決める理由
仏教が最も重視するのは「現在」です。
なぜなら現在は、
・過去の原因が現れた結果であり
・未来の結果を生み出す原因でもある
からです。
お釈迦様はこう教えられました。
汝ら、過去の因を知らんと欲すれば現在の果を見よ。
未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ。
つまり、今の自分の行いが未来を決めるのです。
一念にかかる人生の分かれ道
仏教では、過去と未来が交わるこの瞬間を「一念」といいます。
この一念にこそ、人生の転機があります。
親鸞聖人は、この「今」において、揺るがない幸せになれると教えられました。
これを
・平生業成(へいぜいごうじょう)
・現生不退(げんしょうふたい)
・不体失往生(ふたいしつおうじょう)
といいます。
生きている今こそが救いの時
仏教の教えは、死後の話だけではありません。
生きている「今」この瞬間に、幸せは決まると説かれています。
どんな小さな行いでも、それは未来に必ず影響を与えます。
だからこそ、今をどう生きるかが、すべてを決めるのです。
まとめ
・すべての結果には原因がある(因果の道理)
・偶然とは、見えない原因にすぎない
・小さな原因が大きな結果を生む
・現在は過去の結果であり、未来の原因
・幸せは「今この一念」にかかっている
感想
全ての結果には必ず原因がある。そして現在は過去と未来を解く鍵であるという。そんなことが仏教に教えられていることに驚く人は多いだろう。僕自身も知ったときはかなり衝撃だった。
過去は変えることはできないが、未来を変えたければ現在の行いを変えればいい。どんなに小さな行いも未来の結果につながるのだから、軽んじてはいけない。
この先、幸せになりたかったら今から善い行いに努める。
因果の道理を知ったならば実践あるのみです。
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